河の童

令和2年2月22


パペットシアター・ひとみ

【 河の童 】


会場に入ると、舞台には奥行きのある

素晴らしいデザインで洞窟の中?

水の中・・・が創り出されていた。

眩しいくらいのブルーの世界と

その奥にひだまりのように明るい

水中の世界・・・


皆さんが見入る中

高い照明が波打つ・・・

それを合図に左前方に通訳者が立ち

挨拶他を伝えて下さる。


その後、ろう者の男性が立ち

挨拶と劇団の紹介をなさる。

この方の手話はとてもおもしろい!

劇団の方の表現力で、体・表情

すべてを使って皆様に呼びかける。


この一場面でも

貴重なものを見せて頂いている気分に

なりました。

人の心を引きこむ手話でありました。


会場の笑い声の中で

一際高く、楽しげな子供達の

笑い声が響いたわ。


開幕


夢の空間へ一人一人流れ込む

皆さんが光っていた。


聞こえない者と聞こえる者6名で

その世界を作り出す。


一人一人に、入り込みたいと思いながらも

よくばりな私は、6人を視界に入れようとする。それが理想的なのかもしれないけれど

私は・・・

そのへん損をしてる気分になる。笑


うまく言えないわ。笑

よくばりで不器用なのよね。


それが私だから、それでいいんだけどね。

ん〜

できる事なら、こうして実際見せて頂いて

DVDなどで

個々の皆様の表現の世界に

どっぷりとはまってみたいです。


あ、わくわくしすぎて

脱線しちゃったわ。


ステージにもどりまして。と


洞窟の右上に文字が浮かび上がる

曇った窓ガラスに、指で文字を書いたような

あの、やわらかい字体。


それが何かと言いますと


遊んでいた河童達が、突然何かを感じて

それを表現しはじめたのです。


私が

あ、雨かしら?っと思った時には

その洞窟の上に 【 あ め 】の文字が浮かんでいました。 笑

( いつの間に )


6名それぞれが、自分の雨を表現する。

一人一人の表現が心にのこっています。


・・・というか、自然に心におちたのです。


とくに、あめ・・・好きだからね。💕


雨がやみ

みなの体が優しく揺れ出しました。


そう

気付いたら、【 か ぜ 】


あめ・かぜ・・・

いろんなものを表現したわ。


走る動きからの心臓の鼓動・・・

それぞれに、その高鳴りの表現はちがった。


単純な私は、

同じ高鳴りになったかも。🤣


そして、やっと河童達が手に取られて

舞台に姿を出し踊り出した。 ♫


人が小さな人形をもって動かしているのに

不思議と人の気配を感じない。


丸見えなのに、気持ちは河童へ入り込み

よく見れば、人もその時の河童の心を

全身で表現していた。


みごとに

一つになっていたわ。


個々に河童達の性格がちがってみえて

とてもゆかいだったわ。♫


はじめての感動かもしれない。

心が震えた瞬間でした。


子供達と河童は出会い

楽しく遊ぶ場面・・・

笑い声が聞こえるようだった。


河童が小さな葉っぱを

頭の上の水にひたして

子供達にふれる・・・


怪我をした子の痛みをとったり

フワッと宙に浮かせてみたり・・・


皆んなで、その空間を

自由に飛んで楽しんだ。


私も、その中にいて

幼き頃を思い出していた。


そんな時

ライトの色がかわり

大人がやって来た。


一変したその場面は

前方下から、薄暗いオレンジ色で

照らされて

日向のような洞窟の向こうには

大人の影がうかびあがって

怖かったわ。


二つの感覚をひとまとめにして

表現。


一人の大人が河童をたいじしたので

村に雨が降らなくなり

かんばつに苦しむ。という流れ


大人達は、わびて祈りをささげた。

そして、水の中へ

きゅうり、なす・・・など

たくさんのお供えを投げ入れた。


雨は降らなかった。


そして

めくられた白い紙に

文字がうかんだ。


【 小さな命とひきかえに 】


子供達は一人一人

水の中へほおりこまれた・・・


河童と楽しく遊んでいた

あの子供達は、

皆んな・・・

勝手な大人達の犠牲となって

沈んでいった・・・


水の中では、お供えが沈んできて

水底にかさなるのを

だまって見つめていた河童・・・


そこへ

子供が、一人一人と

沈んで降りてくる・・・


河童の心は・・・


河童は、なぜ? なぜ?

と言わんばかりの様子で・・・


子供達を抱きしめた。


雨は


降らなかった。


大人達も生き絶えた・・・


涙がとまらなかった。


言葉がない舞台なので

見る人それぞれに解釈はちがっていたと

思います。


私は、私が感じたものを

文字に残しました。


あと


舞台左側でパーカッション・・・


一人の女性が

色んなもので音をつくりだす。


ただならす・・・

ではなく


つくりだしていました・・・


舞台にみいっていながら


自然の中の

懐かしい風の音、虫の声、水の流れ・・・


はっとして、目をやると


彼女がつくりだしている姿がみえました。・・・


ため息がもれる・・・


そんな中でも、あらためて


会場には

音が聞こえない方々も、多くいらっしゃっていたので、ここで音が聞こえないとしたら

また、どんなふうにイメージされるのだろう。


きっと

聞こえる者には想像もつかないほどの

深いイメージ感を持っているのだと思います。


とにかく


私以外の方々は

その数だけの感じ方があったのだと

思います、


そう思うと、なんだか

胸があつくなりました。


叶う事なら

皆様の感動を文字で

聞かせていただきたいのに・・・


と思いました。


興奮さめやらぬうちに

打ちましたので


色々問題発言をしていないか

心配ではありますが・・・


感動を残します。


パペットシアター・ひとみ  さま。


また

お会いできる日を

楽しみにしています。


感動をありがとうございました!