私の秘密基地
小学3・4年の頃の話です。
自分の背丈よりも高いカヤ
( 荒くて背の高い草 )の荒地の真ん中に私だけの秘密基地を計画。
入り口が分からぬように体を横向きにして、草を倒さないように、奥へ奥へと進む。
子供の歩数なので、たいした距離はなかったのでしょうが自分ではかなりの深さまで入っている気分だった。
かき分けて、かき分けて進んで行くと
突然空が見えた。
( よし!ここが私の秘密基地!)
2畳ほどの草を体当たりで倒した。
これがまた、なかなかたおれない。笑
勿論あちこち切り傷だらけだが
それくらい痛くもかゆくもない。
倒れたカヤは畳となり
倒れかかったカヤはそのまわりに、なだれかかり
立派な壁になった。
毎日学校から飛んで帰り
自分の宝物を運んで作りあげていったわ。
学校でも、わくわくでいっぱいで
心ここにあらず。
【 早よ帰りたか! 】
我が別荘は最高だった。
寝転がって空を見上げる。
まわりから、かぶさっている草の先が
風に揺らされて
固定されていない額縁の中の空を
あきずに眺めてた。
自分の体には風を感じないのに
まわりの草の動きや
流れてくる草の香りで
風を感じた。
ザワザワって・・・ ゆらゆらって・・・
そんな中で
歌を歌ったり、お昼寝をしたわ。
私だけの大切な秘密基地。 私だけの大切な時間だった。